町のとある一角の寂れた建物。
そこに島一番と言っても差し支えのない名医が住んでいる。
扉は錆びて重く窓ガラスは全て割られていて雨風を防ぐという建物としての根本的な価値すら危なかったが。
無事な片腕で重いドアに手をかけて思いっきり引く。
扉を開けると実は最新設備の整った綺麗な部屋が広がっているなんて夢のような展開はない。
ホコリまみれの床にはガラスやプリントが散らばり本棚などが倒されひどく荒れている。
「本当にここなんですか?」
心配そうに怜火が聞いてくる。
たぶん、俺の腕の傷のことを心配してくれてるんだろう。流石にこのまま血が止まらなかったら危ないだろう。
「大丈夫だ。」
そういって床に目を配る。
手探りで地下室へつながる床を探し出し引き上げる。
扉を引き上げるとあたりにホコリが舞い、思わず舞い上がったホコリを払い咳き込む。
出てきた階段を降りると、そこには上とはまるで違う世界が広がっていた。
上の環境とは180度違いそこにはホコリひとつ落ちていなかった。
最新機器がそろい真っ白な空間がそこにあり、いかにもその場に合う人物がそこにはいた。
真っ白な空間に真っ白な白衣を着て彼女はそこにいた。
「おめでとう詩焉、君がこの施設の最初の患者だ。」
「どうも、轟先生。」
島一番と呼ばれる彼女はあまりにも若かった。
年はどう見ても20代前半。
「そちらは?」
「怜火です。はじめまして。」
急に顔を近づけて怜火の顔を覗き込む。
ふむふむ、と何かつぶやいて自分で勝手に納得する。
「これは、これは、なかなか面白いな。が、今は詩焉だな。さぁ寝ろ。」
診察台を指出す。
素早く無駄のない動きで消毒と麻酔を済まし縫合を始める。
「ドジをしたにしてはずいぶんと派手にやられたな。義久が見たら驚くぞ。」
「・・・気をつけます。」
こんな会話の間にいつの間にか縫合は終わっていた。
流石に手馴れている。丁寧に且つ早くこんな傷では手術と言う言葉にすら当てはまらないんだろう。
「お代はいつも通り荷物の運搬を頼む。」
「喜んで。」
「それと、怜火君もだ。」
まさか自分に会話の矛先が変わると思っていなかったのか慌てふためいている。
「わ、私ですか?」
「そうだ、実に興味深い。こっちに来てくれ。詩焉は先に帰ってろ。クスリはそこにおいてある。あまり痕跡を残していくなよ。」
唐突に1人残され戸棚に置かれたクスリを手に取り悲しく地上へ上る。
「悪いけど、怜火先生がそういったらもう止められないから最後まで付き合ってあげて」
「ちょ、ちょっと詩焉さん?え、ちょっと先生え?え?えぇぇぇえぇぇぇぇ〜〜〜」
抗生物質や鎮痛剤、化膿止めなどなど深い切り傷の後には必要なクスリがきちんと日にち分に分けられて置かれているのをみて最後の最後まで流石だと思った。
抜糸は自分でやれってことかな。
そこに島一番と言っても差し支えのない名医が住んでいる。
扉は錆びて重く窓ガラスは全て割られていて雨風を防ぐという建物としての根本的な価値すら危なかったが。
無事な片腕で重いドアに手をかけて思いっきり引く。
扉を開けると実は最新設備の整った綺麗な部屋が広がっているなんて夢のような展開はない。
ホコリまみれの床にはガラスやプリントが散らばり本棚などが倒されひどく荒れている。
「本当にここなんですか?」
心配そうに怜火が聞いてくる。
たぶん、俺の腕の傷のことを心配してくれてるんだろう。流石にこのまま血が止まらなかったら危ないだろう。
「大丈夫だ。」
そういって床に目を配る。
手探りで地下室へつながる床を探し出し引き上げる。
扉を引き上げるとあたりにホコリが舞い、思わず舞い上がったホコリを払い咳き込む。
出てきた階段を降りると、そこには上とはまるで違う世界が広がっていた。
上の環境とは180度違いそこにはホコリひとつ落ちていなかった。
最新機器がそろい真っ白な空間がそこにあり、いかにもその場に合う人物がそこにはいた。
真っ白な空間に真っ白な白衣を着て彼女はそこにいた。
「おめでとう詩焉、君がこの施設の最初の患者だ。」
「どうも、轟先生。」
島一番と呼ばれる彼女はあまりにも若かった。
年はどう見ても20代前半。
「そちらは?」
「怜火です。はじめまして。」
急に顔を近づけて怜火の顔を覗き込む。
ふむふむ、と何かつぶやいて自分で勝手に納得する。
「これは、これは、なかなか面白いな。が、今は詩焉だな。さぁ寝ろ。」
診察台を指出す。
素早く無駄のない動きで消毒と麻酔を済まし縫合を始める。
「ドジをしたにしてはずいぶんと派手にやられたな。義久が見たら驚くぞ。」
「・・・気をつけます。」
こんな会話の間にいつの間にか縫合は終わっていた。
流石に手馴れている。丁寧に且つ早くこんな傷では手術と言う言葉にすら当てはまらないんだろう。
「お代はいつも通り荷物の運搬を頼む。」
「喜んで。」
「それと、怜火君もだ。」
まさか自分に会話の矛先が変わると思っていなかったのか慌てふためいている。
「わ、私ですか?」
「そうだ、実に興味深い。こっちに来てくれ。詩焉は先に帰ってろ。クスリはそこにおいてある。あまり痕跡を残していくなよ。」
唐突に1人残され戸棚に置かれたクスリを手に取り悲しく地上へ上る。
「悪いけど、怜火先生がそういったらもう止められないから最後まで付き合ってあげて」
「ちょ、ちょっと詩焉さん?え、ちょっと先生え?え?えぇぇぇえぇぇぇぇ〜〜〜」
抗生物質や鎮痛剤、化膿止めなどなど深い切り傷の後には必要なクスリがきちんと日にち分に分けられて置かれているのをみて最後の最後まで流石だと思った。
抜糸は自分でやれってことかな。






